(この記事の内容は2021年6月のもの)
初めに
大阪公立大学は大阪市立大学と大阪府立大学が合併して2022年からできる大学です。
神戸大学を超えるとも宣言していて、まだ2022年の入試が始まっていない現在では未知の大学です。
これから人気がどんどん上がっていく大学と言えるでしょう。
しかし、初年度の大学だからといって対策のしようがないわけではありません。この記事では大阪公立大学が発表したサンプル問題を元に数学の傾向と対策を教えていきたいと思います。

入試科目(数学)
まだ確実なものが発表されていないのでなんとも言えませんが、サンプル問題や、これまでの入試を元に考えると試験問題は以下の表のようになります。
現代システム科学域 | 前期 | 知識情報システム学類 | IA,IIB,III | |
環境社会システム学類 | 英・国型 | なし | ||
環境社会システム学類 | 理・数型 | IA,IIB | ||
教育福祉学類 | なし | |||
心理学類 | 英・国型 | なし | ||
理・数型 | IA,IIB | |||
学域募集 | 英・数型 | IA,IIB,III | ||
英・国型 | なし | |||
英・小論型 | なし | |||
理・数型 | IA,IIB | |||
後期 | なし | |||
文学部 | 前期 | 文学科 | なし | |
後期 | 文学科 | なし | ||
法学部 | 前期 | なし | ||
後期 | なし | |||
経済学部 | 前期 | 経済学科 | IA,IIB | |
後期 | 経済学科 | 高得点選抜 | なし | |
ユニーク選抜 | なし | |||
商学部 | 前期 | 商学科 | IA,IIB | |
専門・総合 | なし | |||
後期 | 商学科 | なし | ||
理学部 | 前期 | 数学科 | IA,IIB,III | |
生物科 | IA,IIB,III | |||
地球科 | IA,IIB,III | |||
物理科 | IA,IIB,III | |||
化学科 | IA,IIB,III | |||
生物化学科 | IA,IIB,III | |||
後期 | 数学科 | IA,IIB,III | ||
物理科 | IA,IIB,III(大問1のみと考えられる) | |||
化学科 | なし | |||
生物科 | なし | |||
地球科 | なし | |||
生物化学科 | なし | |||
工学部 | 前期 | IA,IIB,III | ||
中期 | IA,IIB,III | |||
農学部 | 前期 | 応用生物科学科 | IA,IIB,III | |
生命機能化学科 | IA,IIB,III | |||
緑地環境科学 | IA,IIB,III | |||
後期 | 応用生物科学科 | なし | ||
生命機能化学科 | なし | |||
緑地環境科学 | なし | |||
獣医学部 | 前期 | 獣医学科 | IA,IIB,III | |
医学部 | 前期 | 医学科 | IA,IIB,III | |
リハビリテーション科 | なし | |||
後期 | リハビリテーション科(理学療法学) | なし | ||
リハビリテーション科(作業療法学) | なし | |||
看護学部 | 前期 | 看護学科 | IA,IIB | |
後期 | 看護学科 | なし | ||
生活科学部 | 前期 | 食栄養科 | 均等型 | IA,IIB |
理数重点型 | IA,IIB | |||
居住環境 | IA,IIB | |||
人間福祉 | IA,IIB |
サンプル問題の研究
みなさまサンプル問題を一通り目を通しましたでしょうか。(まだ見ていない方はこちら)
まずここで衝撃の事実ですが、このサンプル問題は全て大阪市立大学文系数学の過去問(一部改題)です!!(なんと言う手抜き)
ちなみに問題対応は以下の通り
大問1
素因数の数を数える問題。大問1はさまざまな問題集に載っているので容易に答えられる。
大問2は少し考える必要がある。すべて偶数ということから2のnでくくって計算していく。
(3)は誘導にのる能力が問われている。
大問2
条件を日本語に直す力と、軌跡を求める際にしっかり範囲を決められるかどうかが問われている。軌跡の求める問題は頻出なのでしっかり勉強されたい。
大問3
計算では面倒だという考えから、図形的にみる考えに移れるかどうかが問われている。
図形は受験生が苦手な範囲なのでさまざまな問題を解きたい。
大問4
x=0は必ず一つの解だというところから、異なる3点で交わる条件をだす。(しかしながら、x=0が一つの解でなくても、三次関数は極大値×極小値<0のとき異なる3点で交わるという事実はしっかり押さえておきたい。)
あとはしっかり積分計算するのみだ。ここで解と係数の関係から対称式で各々の答えを求めても良いが、普通に計算するのも可能な範囲だ。
難易度対応は
大問1→A+
大問2→B
大問3→A+
大問4→A+
である。総じて難易度は比較的低く、得意な生徒なら満点も狙えるだろう。
傾向
大阪市立大学の過去問なので目新しいことは言えないかも知れません(笑)
文系数学は大問4つで標準的な問題で構成されています。基本的な知識が必要でありつつも、少し考えることが必要な問題が含まれています。
日頃の勉強では基本事項や典型的な解法を習得しつつも自分自身で考えることと記述の練習は忘れずにしておきましょう。(記述のコツはこちら)
このサンプル問題では整数・ベクトルと図形と方程式・座標平面と図形・積分のセットです。
積分とベクトルの問題は出ると見てまず良いでしょう。この分野をしっかり習得することで安定して得点できるようになります。
対策
サンプル問題が全て市大の過去問ということから
「問題傾向は市大そのままでいくぞー」
という公立大学のメッセージと捉えると、やはり市大レベルの問題をしっかり解けるようになるまでの訓練が必要ということになるでしょう。
ともすれば対策として
①教科書レベルの概念の理解
②インプット形の参考書(基礎問題精講やチャート式(青か黄がおすすめ!!)など)の例題の解法が瞬時にわかるようになる
(③実践形式の問題集(文系の数学(おすすめ)や重要問題集など)で上述の解法や知識がアウトプットできるようになる。(※この段階はできなくても構いません。飛ばしていただいて結構です。))
【最終】過去問演習
過去問演習に関しては市大の問題を中心的に解きつつも府大の問題にも取り組んでみるといいでしょう。
これらのプロセスを踏みましょう。
基本的に定義を大事にして典型解法の理解と暗記をし、問題演習を積んでいけば良いでしょう。
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最後に
いかがだったでしょうか。今回は大阪公立大学のサンプル問題から考える傾向と対策についてお話ししました。コメントや質問お待ちしています。
頑張る受験生に幸あれ。
